『神様のボート』 江國香織

神様のボート

神様のボート

昔、ママは、骨後と溶けるような恋をし、その結果あたしが生れた。
”私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子”。
必ず戻ると言って消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。
”私はあの人のいない場所にはなじむわけにいかないの”
”神様のボートに乗ってしまったから”
――恋愛の静かな狂気にとらわれた母葉子と、
その傍らで成長していく娘草子の遥かな旅の物語。
                      新潮文庫の100冊より抜粋


江國香織は高校生の頃に『冷静と情熱の間』を読んだ時の印象が悪くて、
それからなんとなく読む気にならなかったんですけど、
今回読んでみたら意外と面白かったです。
”骨まで溶けるような恋”に身を捧げる母と、
そんな母を大切に思いつつも現実を生きようとする娘。
その対比がとても面白かったです。
恋愛小説はあんまり好きじゃないんですけど、これは結構ヒットでした♪