『最悪』 ☆☆

最悪 (講談社文庫)

最悪 (講談社文庫)

年明け1番には相応しくないタイトルだなぁ(笑)


話の核となるのは3人。
一人は町工場の工場長。銀行の勧めによって設備投資を決意する。最近住民との騒音問題に悩まされている。
一人は銀行員。平々凡々な銀行勤めに飽き飽きしたころ、上司からセクハラを受けて苦しむ。
一人はフリーター。パチンコ屋で生活費を稼ぐ毎日だったが、チンピラと協力して窃盗をしたことから人生が狂い始める。


何も接点がない3人の人生が平行して語られ、最後に交わる話。
本の帯を見た時にはてっきり3人で画策して犯罪を起こすのかと思っていたのに、
結局行きずりで共犯になってしまう話だったから拍子抜け。
しかも、工場長の場合、追い詰められているのがよくわかるのに、どうしようもないのが切ない。
弱者が強者に対抗する話かと思っていたのに、結局弱者は敗者になるしかないってどうよ?


というわけで、読後感の悪い本でした。