『僕たちの戦争』 荻原浩

僕たちの戦争 (双葉文庫)

僕たちの戦争 (双葉文庫)



2001年9月12日、尾島健太は海でサーフィンをしていた。
1944年9月12日、石庭吾一は初の単独飛行訓練に挑んでいた。


…遠くで雷のようなものが鳴った。


健太は突然衝撃を受けて意識を失った。
吾一は突然制御できなくなった期待の中で落下しながら意識を失った。


…目覚めた場所は、見たことのない世界だった。


健太がやってきたのは1944年の日本。
吾一がやってきたのは2001年の日本。


…理解不可能な状況で、健太は吾一として、吾一は健太として生きていく。
自分の価値観とはまったく異なる時代の中で、二人はどうやっていきていくのか?
元の時代に戻れるときはやってくるのか?




こういう戦争ものはあまり読んだことがなかったんですが、これはとても興味深い内容でした。
というのも、物語を読んでいるときはついついその登場人物の考え方に影響を受けて納得しがちなんですが、
この本の場合は価値観の異なる時代につれてこられた二人の視点によって話が展開していくので、
その分、二人の感じる違和感から、時代の違いがはっきりして、
そしてさらにそんな状況でも共感できる部分があることがよくわかりました。
去年スペシャルドラマにもなったらしいから、そのDVDも見てみたいです。