『暗黒童話』 乙一

暗黒童話

暗黒童話


簿記の勉強が終わったので、待ちに待った読書をしました。
まぁ、明日から合宿だからまた禁読生活ですけど orz


前に乙一の短編で「DOG」っていうのを呼んだことがあって、それが面白かったので借りてみました。


『暗黒童話』


いかにも怪しげなこのタイトル。
実は何にも考えずに本のサイズで選んで、読み始めたんですけど、しょっぱなからびびってしまいました。
童話風の話ぶりなのに、かなりぞぞっとするようなものなんですよ。
なんせ、言葉をしゃべれる鴉が眼の見えない少女のために
町中の人の目玉をとっては少女に与えてその人の見た映像を見させるという話なんですから。
それが序章で、1章からは現代の話になります。
これは眼の移植手術をした少女が手術の後に記憶喪失となるんですが、
そのせいで優秀で人気者だった少女が、不器用で引っ込み思案な少女になってしまうんです。
なにをやっても「記憶をなくす前ならそんな風じゃなかった」と比較され、周囲のすべての人から冷たい態度をとられる。
そんな少女の孤独を救ってくれたのは、移植した眼が時折見せる映像だった。
その映像に導かれて、少女は旅に出て、そして、ある事件に巻き込まれて…。


ついつい話に引き込まれて、最後まで一気に読んでしまいました。
心情描写がうまいんですよね。
はらはらするシーンでは、息つく間もなく頁をめくってしまうくらいでした。
ただ、事件の伏線がいろいろ張ってあるのにその処理がつじつまあわせな感じがしたのがちょっと…。
まぁそれは絶妙な伏線をはる東野圭吾さんの小説を読みすぎたからそう思っただけかも 笑
そういやこれはホラーで、想像すると気分の悪くなる人もいるかもしれないので、ご注意を。