『天帝妖狐』 乙一

天帝妖狐 (集英社文庫)

天帝妖狐 (集英社文庫)


この本は2つの作品が掲載されています。


「A MASKED BALL ――及びトイレのタバコさんの出現と消失――」


主人公は高校生の男の子。
いつも剣道場の裏のトイレでこっそり一服しています。
ある日トイレに行ったら、壁には「ラクガキスルベカラズ」という落書きが。
その日からトイレの壁は秘密の掲示板になります。
メンバーは主人公とK.E.と2C茶髪とV3と、そしてカタカナのあいつ。
はじめはたわいもない会話を繰り返していたのに、
次第にカタカナのあいつが不穏な書き込みをするようになります。
それと同時期に学校には事件が続発。
犯人はおそらくカタカナのあいつ。
あいつの行動はだんだんエスカレートしていき…。


なかなかハラハラさせられました。
そして、伏線にすっかりだまされましたw
最近はWEB上の掲示板がたくさんありますが、
昔ながらの掲示板を使って、匿名性を保ちつつも現実味のある掲示板だというのが面白い設定だなぁと思います。


「天帝妖狐」


とある町で行き倒れそうになっていたなぞの青年・夜木。
彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、
助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。
しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれるときが…。


↑あらすじ考えるの面倒で丸写しですw
読んだ印象は中島敦の『山月記』。
かなりの切なさでした。
これは読む価値ありです☆