『密告』 新保裕一


密告 (講談社文庫)

密告 (講談社文庫)


ある警察官がとある警察官と企業の癒着を密告したと思われ、
自分の汚名を晴らすため、調査を開始する。
調査を進めるうちに、事件の裏側に隠される警察組織の闇がしだいに明らかに…。


そんな感じの本でした。
つまらなかったです。
警察官と企業の癒着なんて、現実にもあるからそれほど驚かなかったし、
事件の裏に隠される闇っていうのもありがちな話だったし、
調査している警察官がたいした情報をつかむ前に必要以上に妨害しようとするから
かえってその警察官に尻尾をつかまれるような事態になってしまうのが間抜けだし。
さらに、主人公は恋人の誤解されるのがいやで調査をはじめるんですけど、
この調査に周囲の人を利用するんですよ。
お人よしの後輩とか、自分に想いを寄せている後輩とか。
しかも、利用するたびに自己嫌悪に陥るんです。
そんな主人公のぐだぐだした性格がうっとうしかったです。
まぁ、人間なんてそんなもんなんだろうけど、
小説の中ではそんなぐだぐだな人間みたくなかったので、
読後感が悪い小説でした。